ISスペシャルインタビュー

追い求めたのは
感性に訴えかける
「操る楽しさ」 取材・公開日 / 2020.11

小林 直樹
Lexus International
チーフエンジニア

過酷なテストコースで鍛え上げた運動性能

新型ISの秘められたポテンシャルを引き出すために、徹底した走り込みが行われた。これまでレクサスは既存のテストコースのほか、国内外のサーキットや、一般道も活用してきたが、今回小林氏がホームグラウンドに選んだのは豊田市と岡崎市にまたがる下山テストコース。世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンク(ドイツ)を長年走り込んできた経験をもとに建設を進め、2019年に一部の運用を開始した。
「厳しい走行環境のテストコースに各部門のエンジニアやタイヤメーカーの人たちを集めて、日々繰り返し走行試験を重ねました。それこそ山籠りみたいな感じで。乗っては議論、また乗ってはまた議論、ブレーキングの感覚を議論するだけで一日尽くすこともありました。そうやって限界性能を突き詰めながら、レクサスならではのすっきりと奥深い走り、快適な乗り心地を満たしていったのです」

スタイリングも走りも劇的に変わった一方で、「1㎜も変えたくなかった」 というのがボディサイズだ。
「ISはコンパクトであることに価値があります。ボディサイズを大きくするとメリットもありますが、その分、重くなったり、取り回しが悪くなったり、デメリットが出てきます。新型ISは、従来型より全長でプラス30㎜、全幅でプラス30㎜となっていますが、それはタイヤサイズをアップしたゆえの影響。今回新たに採用した19インチサイズのタイヤが、従来型のままだとボディからはみ出てしまうので、ボディ幅を広げて、それにともなってスタイリングのバランスを考えて全長も少し伸ばしたわけです。実質的なサイズ感は変わっていませんし、タイヤ拡大分による重量増は、ほかの部分をグラム単位で軽量化したことで差し引きほぼゼロです。このクラスのスポーツセダンには一定数のファンがいて、最近はダウンサイズの流れで大きなクルマからコンパクトなクルマに乗り換えるお客様も増えています。ちなみにレクサス関係者も『これがちょうどいい』とISに乗っている人が多いですね」

最後に小林氏はこう締めくくった。
「性能はもちろん大切ですが、あるレベル以上いくと、ストーリーや作り手の情熱がものを言うと思います。そういった心に響く情感を、ぜひ新型ISで楽しんで頂ければ幸いです」

IS350"F SPORT"。ボディカラーはグラファイトブラックガラスフレーク<223>。
【LEXUS IS 主要諸元】
全長 (mm) 4,710
全幅 (mm) 1,840
全高 (mm) 1,435
ホイルベース (mm) 2,800

※このインタビュー記事は、本サイト独自取材のもので、開発責任者インタビューシリーズ、バックナンバーです。
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